2015/08/29

PBP2015 その4:上を向いて歩こう

  ロシア人はPC手前にサポートがいるようで、車の前で止まっていた。
自転車を駐輪場所に止め、ボトルを持ってコントロールまでダッシュ!と思ってたけど周りを見るとそうでもないみたいだ。先頭集団のPCは戦いだと聞いていたが、先頭ではないこの集団の皆はそこまで急いではいないのだろうか?

  コントロールでチェックを受け、外の仮設トイレに寄り、水道でボトルに水を補給。コントロールでは4年前と同じように人の好さそうなオバチャンがどこから来たの?と聞いてくる。JAPONと答えると、あらあら、遠い所大変ねといった表情。

  自転車に戻ってボトルにドリンク粉末を加えて、これで5分くらい。三船さんのSTRAVAデータを見るとPCの所要時間は2分程度(スタート直後に1分ほど停車しているのはサポートかトイレか?)これじゃ先頭集団には残れず、単独で追う形になるのか。
  一緒に入ってきた集団の殆どはまだ出発していない。赤レーパンの人と一緒にPCを出た。

  PCを出て赤レーパン、しきりに後ろを振り返りながらなんだかわからない言語で話しかけてくる。フランス語で、後ろの集団を待つべきだとでも言ってるのだろうか?確かにどうせ追いつかれるのなら無駄に脚を使う必要は無いが、そんなに無理せず先行する分には問題無いし、追いつかれたら乗っかればいい。
  赤パンは一応先頭交代してはくれるが、乗り気ではないのかすぐ後ろに下がってしまう。何か話しかけてくるのだが…全然わかんないんだ、英語話せない?とりあえず私はマイペースで走るから、着いてくるか後ろを待つか好きにすれば?

  前のほうに尾灯が2つ見え、追いつこうと先頭固定で走ったら赤パンは切れていた。んで前2人と連結。3人に。
  この2人のうちの後ろのほうが謎で、ドラフティングの効果が余り得られないくらい前から離れて走っている。先頭交代もしていないようだ。ここまでこのペースで走れる人が他人と走れないわけは無いと思うのでドラフティングしない縛りとかやってるんだろうか?もしくは眠くて後ろにつきたくない?前の人と先頭交代しながら暫く走る。が、登りで切れてしまった。

  250km、気が付けば気温もかなり下がっている。ウインドブレーカーを取り出して着込み、停車したついでにパンを口に入れて水で胃に流し込む。誰か来ないかなと後ろを気にしていたら3人が通過。これに乗っかり暫く走ると後ろから本命の20人程の集団。あ、赤パンが居る、なんか損した気分。集団に乗っかり、まあ適度に前に出たりしながら次のPC、Fougereへ。

PC2:Fougeres,310km 9時間38分
  Villainesからここまでの速度はかなり遅い。単独走だったのもあるけど集団の速度も最初ほど出ていない。それでも序盤のアドバンテージでまだグロス30km/hを大きく上回っている。

  ここFougeresは初参加の2007年、車にはねられた後に3日ほど滞在した思い出あるPCだ。前回は長いパスワードのFreeWiFiがあったはずなのに今回は無い。ここでもコントロール->トイレ->トイレで水汲み、トイレでは同じくボトルに水を汲んでる人待ちがあった。準備を整えてさて出発。

  なんだけど、実はFougereから次のTinteniacまでの記憶があまり無い。特徴的な緩やかな登りのS字カーブを走った時は1人だったことは覚えている。でも出発時にどうだったのか、どうやって集団に追いつかれたのか記憶がアヤフヤだ。
  パワーメータのログを見る限りは一人でスタートし、335km地点で集団に追いつかれているようだ。この時の集団の人数は10人、小さくなってきた。

PC3:Tinteniac,364km 11時間39分
  チェックを済ませ出発しようとしたら隣に赤パンが居た。赤パン、PC通過早いな。
  今回の腹とダイナパックに補給食を詰め、ドロップバッグのあるルディアックまで水道での水補充のみで行く作戦、少し中途半端だった気もする。先頭集団で走るにはもっとPCの時間を短縮させねば厳しいし、今いるこの集団はもう少し時間がかかっても大丈夫、おそらくパンを買うくらいの時間はありそうだ。ただまあ遅れたら追いつくのは大変なので、先行できるに越したことはないのかな。

  Tinteniacを赤パンと出発。他にあと2人で計4人。
ここまでPCから先行->集団に追いつかれるを繰り返している。今回もこの人数で出発せずに後ろを待ったほうがいいのではないか。

  しかし赤パン以外の2人は知り合いのようで、このうち一人が相当速い。
ここまで一緒に走った人、中切れで前を追ったHITACHIや緑ジャージは速かった、が、ほぼ対等に前に出れていたつもりだ。このオーストラリア人(帰国して調べるまで何故かフランス人だと思っていた)は彼らと比べて圧倒的、一緒に走っていてレベルの違いを感じてしまう。
  集団は確かに魅力的だ。しかしVillaines、FougeresとPCを通過する度に徐々に小さくなってきている。Fougeresでも脱落者が出るとすると後ろからくる集団の人数はせいぜい7,8人になるのではないか。この強力なオーストラリア人となら次のPCまで先行することもできるかもしれない。
  オーストラリア人3,私2,赤パン1くらいの割合で前を引いて走る。もう一人は後ろについていたが、気が付くといなくなっている。

  知り合いを引き上げてくるためか一旦後ろに消えるオーストラリア人。赤パンと2人で暫く走っていると一人で戻ってきた。話し合いの結果、もう着いていくのは無理だから先に行ってくれとでもなったのだろうか?彼を中心としたパックが再び生成。
  既に赤パンは全く前に出なくなっていた。実力差はデカい。私もこのオーストラリア人と走るのはキツい。

  ある程度の速度でこうして少人数で走る場合、幾ら実力差があっても先頭固定はツライ。2:1でも、いいや9:1でもいい、ほんの少し先頭を変わってくれるだけで休憩時間が出来て楽だ。少なくとも私はそう感じる。先頭交代を促すこのオーストラリア人も多分そうなんだろう。
  だから彼と一緒に走りたいのであれば、オーバーペースだろうがなんだろうがちゃんと交代しないのはイヤだ。次のルディアックで力尽きるかもしれないがそれも良し。今こうやって走ってるのが凄く楽しいから。

  そうは言ってもTinteniacから2時間、疲労は溜まり、前に出るのが困難になってきた。
「日本人デスカー?」えっ?「妻ガ千葉デス」とオーストラリア人。まさかの日本語、まさかの千葉。なんて狭い世界。
  消耗して速度が低下した私を「ウエヲムーイテーアールコーヨ、ナミダガー」と持ちネタらしい歌で励ましてくれる。全くなんてヤツだ。涙は零れ落ちるし、これで力尽きるまで漕ぎ続けなきゃいけなくなったじゃないの。

  Loudeacまで残り20km。いよいよ前に出れなくなった私。これまでずっとツキイチだった赤パンに対し、オーストラリア人が「You can do! You can do!」と激を飛ばす。言葉が通じているのかはわからない。それでも疲れた私に代わり赤パンも先頭交代に加わり、なんとかLoudeacへ。

PC4:Loudeac,449km 14時間45分
  夜明け前にルディアックに着けた。疲れた、面白かったけど、とにかく疲れた。

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