2014年9月29日月曜日

SR600(ランドヌール)を走るために

  今回のSR2400、翌週の全力Fuji(雨でDNF)、去年走ったぶんを入れるとここまで8本。中でもこの3連戦はSR600が何なのか1本だけではわからなかったものを見ることが出来たように思う。

  走ってみて感じたこと、SR600の走り方などをまとめてみた。


■SR600と通常のBRMとの差
  SR600の走行距離は600kmで獲得標高は10000m以上。一番楽なFujiで体重60kg+車重15kgの私の場合通常のBRM(距離600km/獲得6000m)の約20%増しの時間がかかる。(720km相当)
  体重の重い人はこれよりかかり、もっと軽い人は更に差が無くなる。テキトー計算だと体重が80kgで更に+10%くらい遅くなりそう。


■SR600がキツい理由
  50時間で+30%,780kmと考えるとAve15.8km/h。途中での足切りタイムが無いことからBRMと違い時間を一杯まで使える。これだけ聞くとそんなに難しくなさそうだ。

  もしSR600をキツいと感じる場合原因は恐らくこんな所にある。

1)BRMの600kmがギリギリ
  殆ど睡眠をとらずに40時間走り続けてのゴールする人の場合、その後更に10時間起き続けないといけないわけで活動限界的に厳しすぎる。

2)漕ぎ続けることに慣れていない
  長距離を走っていて疲れてくると連続的にトルクをかけ続けられなくなる。少し漕ぐ->滑走する->速度が落ちたら漕ぐ、の繰り返し。
  平地ならこの走りで大幅な速度低下は起きなくても登りでは無理。疲れてきて脚が止まってしまう人は回し続ける練習をしよう。出力は低くてもいい、漕ぎ続けることが大事。

3)自分の走力が良く分かっておらずプランニングが出来ない
  ある程度厳しいサイクリングをする場合に重要なのはコースを見て所要時間がわかるかどうか。SR600はスタート時刻や途中の休憩ポイントを自分ですべて決める楽しみがあるが、これも脚が見積もれてこそ。
  走力がわかればゴールにぴったり時間を合わせて途中でギリギリまで休憩することが出来る。ノートラブルで走れた場合はこれだけかかって、疲労度はこのくらいで…。そこまでわかれば自分にベストの走行計画を立て、あとはトラブルが起きないことを祈るのみ。

4)短い坂で出力を上げ過ぎ
  ブルベ参加者と走っていつも思うのが短い坂で一気に出力を上げる人が多いこと。完全に無酸素運動域に入ってる人も少なくない。
  もちろんそれで最後まで持てばいいのだが、筋肉や心肺にダメージが残るようでは走りに失敗している。閾値を行ったり来たりするような走りは疲れて眠くなりやすい。

5)ギア重すぎ
  登りでも平地と同じ感覚で走れれば時間がかかるだけで済む。ギアが足りずにケイデンスが低くなった場合筋肉や関節へのダメージが大きい。軽いギアを回しても平地と全く同じ感覚にはならないとはいえ、それでもケイデンスが60以下が続くようであればギア比を見直すべき。
  宇都宮山岳でご一緒したヤハギさんはかなり走れる人であるのにフロントトリプル使用、さとうさんもMTB用クランク。私は普段34x27を使っていて、SR600を1本ならこれで問題は無いものの3連続の時は全く足りないと思った。
  「走れる」のと「ダメージを極力抑えて走る」のは別。39x23だって問題無く走ることは出来るが、フィジカルのダメージで恐らく後が続かない。

4,5はあくまで一般論。無酸素域に入れようが重いギアを踏もうが疲れず走れる人なら何の問題も無い。

6)補給に失敗する
  山岳を繋ぐSR600は補給ポイントが少ない。100km以上補給困難な箇所もあり事前の計画や補給食の所持が大事。

7)気温の変化にヤられる
  SR600の特徴は『天候による難易度の差が通常のBRMより激しい』ってこと。
  真夏は峠を下った後の熱中症が怖く、春や秋では峠の寒さが怖い。特に大雨が続いた場合の体温低下は大問題。
  通常のブルベでは2000m峠なんて登っても1本。そこの雨で体が冷え切っても着替えを持っていたりコンビニで衣類を調達すれば回復はできる。これが2本,3本と連続するとなると話は変わってきて、下りで冷えない為に登りで汗をかかない走りをする必要も出てくる。心も折れやすい(また雨の下りで冷える為に登るのか…)。

1),2)は体力Upが課題。3),4)は走り方、5)は機材、6),7)は装備でなんとかなる。


■どういうプランが安全か
  速い人は何が起きてもどうとでもなるし、時間一杯な人はそもそも選択肢が無い。ただ安全策をとるのなら夜間の峠は出来るだけ避けたほうがいい。
a)街灯も無く暗いため下りでの速度UPが見込めない。
b)動物と衝突する危険。
c)走り屋がいる。
d)トラブル(特に雨での低体温症)発生時、店が開いてなくて大変。

a),b),c)は1000m程度の林道峠、d)は2000m級の峠。
  渋峠、麦草峠、乗鞍岳等の2000m超峠は山頂に土産屋などの施設があり、営業している昼に通過するのであれば財力で様々な事態に対処できる。
  例えば乗鞍は輪行袋に詰めて山頂からバスで下山が可能。体調不良時に救急車や人の助けを呼ぶのではなく通常営業のサービスでリタイアできるのがいい。


■適した装備
  BRMと同じでいいと思う。暑さ寒さ対策はBRMより慎重に。特に上下しっかりとしたカッパ。峠ではよく濃い霧が発生するため、ハンドル上だけでなくハブ軸あたりにライトがあると便利。
  PC通過証明撮影用のカメラは予備で2つ、デジカメとスマホがあればいいか。再帰反射看板の夜間撮影はカメラと別位置からのライト照射等なにかしら工夫が必要な場合がある。


■x連続に必要な走力
  最初に述べたように私の場合は720km+α(日本アルプスと北関東の場合)。1日あたり通常ブルベを360kmのペースで走れば48時間ゴールで延々と続けられることになる。多く見積もっても400km弱、これはそこまで難しい値では無い。持っていく装備の選択など1本だけの時とは違った楽しみが味わえるのでヒマな人は是非。


■結局SR600(x3)ってなんなの?
  天候が荒れた中3連続を走って思った、これは総合力を試されるブルベであると。
単純な走力、雨やトラブルを見越してのプランニング、ダメージを残さない走り、補給、トラブルへの対処法、まだまだ上達したいことは多い。悪天候で楽に終われなかった故に得れた物もあったはず。台風バンザイ。(次は走りたくない)

2014年9月25日木曜日

SR2400_16:帰宅。感想と壊れたものいろいろ。

  SR600x3は終了し、あとは家までの平坦140km。
既に終わった感で一杯でどうにもしっかり走れない。最後に1泊せずに予定通り夜23時のゴールとなった場合、翌朝5時(スタートから200時間の目標)に家に辿り着けたんだろうか。多分無理だった気がする。

  前日しっかり寝てるので眠くはないものの、タレまくっててのんびりと家まで走る。
ホイールの修理で自転車屋に寄るのも考えたが、持ちこんで直ぐに直してくれるかどうかわからないし、平地だから脚を止めなければ大丈夫。
  最後に埼玉市街地を通過したらオッチャンが逆走してきた挙句にこっちに文句、流石にカチンときて停車して(紳士的に)咎めると「警察行くか~」と騒ぎ出す。いや逆走してて危ないのアナタだから。逆切れにも程があるし、相手にするのもバカバカしくてさっさと先へ。埼玉は恐ろしいところだ、次から通るの止めよう。

○帰宅 8/17 19:30
  総時間は214時間。予定より14時間オーバー。
走行距離2439km、獲得標高41250m。2011年PBP後のアルプスサイクリングのほうが登ってるけどあれは28日間、9日間でだと過去最高の獲得標高。

  思ってたほど疲れていなくてビックリ。
翌日の通勤を自転車で行くことに全く躊躇しなかったし、北関東初日に痛かった膝もゴール時点では問題無し。正直ちょっと拍子抜け。いや、目標タイムで走れなかったわけで速度を落とせば楽になるのは当然か。楽、って言っても序盤の台風や雨での低温は相当厳しかった。

  今回走ってみて「SR600は通常のブルベ(距離1kmで獲得標高10m)の2割増し、720kmに相当する」と思った。
これで制限時間は25%増えるため600kmよりも時間が余ってラクと感じられるのに納得。この辺りは多分体重による差が大きいかな。

  過去北海道1200+埼玉600=4000を14日間(後夜祭などがあったため実質12日くらい)で走った時は体がボロボロだったけど、今なら360km/dayは無理せずに続けられそうだ。洗濯などで時間がとられてることを考えると人のサポートを受ければ400km/dayで2週間は十分に行けるだろう。で、RAAM参加を考えることになる。



■壊れたものいろいろ

  フリーを取り外してみた。
  あれ?なにか中に落ちてる。

  ツメを止めてるバネが折れてしまっていた。
浸水して動きが悪くなってるだけかと思ってたが、よくこれで300km以上走ったもんだ。しかし汚い…

  左が折れたバネ。
じんじんさんからカンパのスモールパーツで同形状のバネ手に入ると聞いて購入したのが右のヤツ。太さが若干違ったが、まあ元通り。

  レースにしか使っておらずほぼ新品だったグローブはボロボロ。
雨で濡れたグローブをコンビニの度に絞っていたのが原因。これグリップが良くて気に入ってたのにな。

  アリオネは、もうかなり使い古されていたけどここまでじゃなかった。
表面の皮が剥がれてスポンジ状のものが露出しレーパンがくっつく感じがしてストレスに。これも雨が原因か。

  SRAMのRED標準のGOREワイヤー。
シフトワイヤーのコーティングが剥げ、これがアウターに詰まって4日目くらいからシフトの引きがめちゃ重くなった。錆だと思ってたが違ったようだ。

  他には
・TopeakのDynapackDX: 金属疲労による破損
・バーテープ: ずっと雨でこれもボロボロ
・ディープリムに溜まった水: 帰宅1週間後にタイヤを外したらまだかなり溜まっていた
・フレームに溜まった水: 振るとチャプチャプする。が、シートポストはおろかブレーキやBB、ダウンチューブ下のワイヤー受けまで全て外しても水は排出されない。自然乾燥を待つが2週間経っても状況はかわらず。シートチューブとシートステイの接合部分(内部)に少し亀裂があってそこから入っていったっぽい。ある角度でフレームを振り下ろすとちょろっと水が出てくることがわかり、夜中に裸で2時間ほどフレームダンスを続けて排出。

  ダメになったと思われたが乾燥後に復活したもの
・デジカメ RX100: 画質は気に入っているが非防水。北関東の渋峠以降電源が入らなくなる。5日後くらいに復活した。
・ライトMOON XP300: これも電源が入らなくなる。リフレクター内部に浸水。数日後に復活。
・iBike(パワーメーター): 裏の電池ボックスから内部に浸水したようで液晶まで水。2日目以降ずっとバッグに入れてたが帰宅後も電源入らず。諦めて木曜に新しいiBikeを注文したら翌日に復活した。


■幻の第3話 最強!灰澤兄弟現る

兄:「なんだ~そのちっぽけなチェーンリングは」
弟:「兄者、こいつコンパクトクランクなんて使ってますぜ」
兄:「こんぱくと~?そんな物で平地最強と言われる我ら灰澤兄弟に勝てると思っているのか」
弟:「このまま2人で速度を上げていきましょう、すぐにギアが足りなくなって千切れますよ」
兄:「よし弟よ、灰澤ローテーション☆」

弟:「ヤツが笑っています、STIに手をかけました」
兄:「ははは~アウタートップからどうしようというのだ。我々にはまだトップ11Tが残っている、勝負あったな」
弟:「ぜ、ぜっとがフロントをインナーに!」
兄:「この速度域でインナーだと、ヤツの脚はどうなってるんだ」
弟:「まさか、これが噂に聞く…光・速・ケ・イ・デ・ン・ス」
兄:「まぶしい、クランクから光が、うわぁ」

2014年9月12日金曜日

SR2400_15:試されるマクガイバー、ギリギリのゴール。

□8/17
  もう一泊してもSR600北関東のクローズタイムには間に合うとの目論見だったが怖いのが最後に控える峠、横根高原。標高差よりも斜度が問題で、登り下りの平均10%超あとは平地ってなコースだとAve15km/h出ない恐れがある。
  出発前にデジカメのスイッチを入れようとしたら電源が入らない。雨で水没したのか?復活を祈りつつバッテリーを外してバッグに突っ込む。ここからはスマホのカメラで。

○ホテル出発 8/17 2:00
  そしてもう一つの問題、ホイールの調子は更に悪化。フリーはかなりの頻度で回らなくなり脚を止めたらRDがもげる可能性大。平地なら脚を回し続ける手もあるが、この先峠が控えているとなると厳しいか。やぱり昨日自転車屋を探すべきだったか。
  後悔しても始まらない。こんな深夜に開いてる店、コンビニでなんとかするしかない。このホイールは六角レンチとハブスパナがあればフリーが外せたはず。薄いスパナあるいはペンチを買うか、クレ556のような浸透性が高いスプレーでフリー内部を洗浄するか…

  どちらも見当たらず、手にしたのはZIPPOのオイル。
こいつをフリーの隙間から爪がある部分に流し込む。ベアリングがダメになっても仕方なし、あと100km持てばいいんだ。
  フリーを回転つつオイルを垂らすと動きはなんとか復活した。よかった、ロングライドでは手持ちの物で応急処置できないとやってられない。もっといい方法はあったかもしれないし、マクガイバーにはまだまだ遠いか。

  このメンテでゴールに必要な速度は15km/hを上回らねばならなくなる。

○PC16 道の駅くろほねやまびこ 8/17 4:35

  雨は降り続けている。
ホイールは、オイルを垂らすと40kmくらいは回転が復活するようだ。朝になったらどこかで556を手に入れたほうがいいかもしれない。このSR600KNはその前にゴールかな。

  横根高原への登りは、予定していたコースと違った。宇都宮山岳ブルベの復路でくろほねやまびこから戻った時のルートだと思っていたのだ。あれはなかなかの斜度だったから身構えていたけど、思ってたほどではなかった。
  それでも疲れはあり、相変わらず「エターナルダンシング」だとかアホなことを考えながら登ってたら左折ポイントを見落とし、ミスコースして下ってしまう。

○PC17 横根高原 8/17 7:20

  ここまで来ればあとは下りを残すのみ。
自転車さえ壊れなければタイムアウトは無い。だが一番の不安はそこで、フリーを出来るだけ空転させないように下ろうとするも長く続く下り&雨で難しくてドキドキ。

  平坦区間まで下ってあとはランでも間に合うとなった時点でようやく安心。コンビニで朝ごはんを食べ、ゴールへ。

○ゴール 8/17 9:32

  タイムは54時間32分。
1泊増やしてギリギリゴールプランに切り替えたとはいえ、かなりのギリギリ度合だった。

  ハンドルのMOON XP300は水没して数時間前に死亡(後に乾いたら復活)。リフレクターの中に水が溜まっていた。どうやったら完全密閉のここに溜まるんだ。

  ゴールはまだここじゃなくて自宅。あと140km。フリーは、平地だから脚を回し続ければなんとかなるかな。

  獲得標高を少し稼ぐため、古賀志林道に登ってから自宅へ向かう。


  内輪ネタに走ったため人気低迷が続いたインフィニティークライマーZは今回で連載中止となりました。 ご愛読ありがとうございました。(途中ツイートした話の再掲載です)

■第4話 届け、無限の彼方へ。

「くらえ、エターナル・ダンシン…ぐわっ膝が」
「1000m峠だとナメて貰っては困る。北関東最後の将、横根高原。一度見た技は通用せん」
「みんな、オレに最後の力を」
「なんだこれは、上体の振れがクランクと完全に調和している」「この軌跡は…、インフィニティ!」

※クランクの動きって8の字っぽいからネタ的には∞だよなー、とインフィニティークライマーZのタイトルは最終日のこの横根高原との戦いで生まれたのです。

2014年9月10日水曜日

SR2400_14:雨で挫折、もう一泊。

□8/16
  2:00起床。止んでないかなの期待空しくやっぱり雨。

○PC10 直江津港 8/16 2:48

  写真を撮った直後にフェリーターミナル内の電気が消える。こんな時間に消灯なのだろうか?

  寒さを感じるほどではないが、それでも長丁場で体を冷やしたくなくてゴア上下を着て汗をかかないようにゆっくり走る。
  しかしこの先に控える関田峠、カッパ着てゆっくり走って楽しめる峠では無かった。

  ケイデンスガタ落ち、やっぱり34x27は私の脚じゃサイクリングしようと思ったら足りないよ。帰ったらMTB用のリアかフロント入れる、絶対変更する、そんなことを考えながら重いギアを踏み踏み。

  夜が明けてきた。晴れていたら気持ちよさそうな高原だ。

○PC11 関田峠 8/16 5:34

  一番寒い時間帯を雨の下り。霧で視界も悪い。ホント今回こんなんばっかり。

  下ってしばらく平地の後、木島平からまた少し登り。ここの下りから湯田中までの間で雨が上がる。
  よかった、これなら渋峠を降られずに登れるかもしれない。雨の下りはイヤだけど、登りももちろんヤだ。なにより汗を抑えないといけなくて速度が出ない。

○PC12 湯田中ローソン 8/16 7:56

  ローソンの前が湯田中駅。ここには足湯がある。

  自転車に乗ってる時って足がふやけるのがイヤで足湯に入ったことは無かったが、もう雨で足はフヤフヤ。だったら少しでも温めたほうが気持ちよかろうとしばし休憩。

  あーいくらなんでも休み過ぎた。そもそも関田峠が予定よりかなり時間かかってるから、もう少し速度上げないと23時(SR600Fujiスタートから8日後)までにゴールできなくなっちゃう。渋峠は若干パラパラと降ったがカッパを着ずに、少しペースを上げて。

○PC13 渋峠 8/16 10:47

  渋峠で降られないなんて、そんなことあるわけが無かった。
ここまではまだ小降りでカメラバッグをコンビニ袋で覆ったのみだったが、国道最高点あたりで一気に土砂降り。慌てて完全雨装備へ。

  視界も全然ないし、ここの雨はホントにキつかった。対向車の水しぶきがアトラクションなほど水が溜まった路面。峠なのに。
  そういやこの雨の中、10人ほど登ってくる人とすれ違った。皆バラバラのジャージだったら防寒具など持たない驚くほどの軽装。クラブ内でヒルクライムでもやってたんだろうか?上に車が待ち構えてるのでもなければ寒さで死ぬって。

  ゴアカッパなどたいして役に立たない大雨、体も冷え切ってしまって草津で温泉へ。

  助かった、ここが温泉でよかった。この雨の中走り続けるのは厳しかった。昨日が洗濯デーで乾いたジャージがもう1セットあるのも運がいい。

  温まった後は食事をしながら今後のプランを練る。
どうやら赤い色の豪雨ポイントはちょうどコースに沿って渋川へと向かうようだ。ここで暫く時間をずらすしかないだろう。

  乾いた服はあと1着。もう一度峠で雨に降られたら、走り続けることは難しいかもしれない。
はっきり言ってもう気力が持たない。SR2400を200時間完走との大目的があったのだけど、遂にここで気持ちが折れた。渋川に泊まろう。もう1泊してもSR600北関東のクローズに間に合う余裕は十分ある。

  小雨の中を榛名山へ。
ここでホイールに異変が。チェーンが外れたかのようにフリーが200度くらい空転する時がある。雨でフリー内に浸水して爪の動きが渋くなっているのかもしれない。

  足を止めていると稀にフリーが空転しなくなってRDが伸び切り、その時点でようやく回りだしてRDがバチンバチンなる事態も。これは下手するとRDかエンドがもげるぞ。

○PC15 ヤセオネ峠 8/16 17:44

  ここから渋川までは下り。しかし疲れた、雨じゃなくて坂が疲れた。おそらく目標達成を諦めた挫折感も疲れを増しているんだろう。

  下りは雨あがる。さあホテルに入って休もう。いや、ホイール入手を考えたほうがいいかな?

  祭りをやっていてSRのコースは車両通行止め。ただ警察官の話だと自転車は通ってもいいとのこと。歩行者の間を走るのも危ないと思い迂回してホテルへ。

  雨やんでよかったね。少し寄ってみたい気もしたが、ホテルに入って洗濯して睡眠。


  好評につき連載決定!
■インフィニティークライマーZ第2話 さらば灰神、高原の風と散れ。

  激闘の末、灰神を倒したZ。
灰神は打倒Zに燃え、サイドワインダーに代わる新たな必殺技を編み出すことに成功する。

「脱衣」
  登坂中に服を脱ぎ捨てることにより軽量化するという灰神究極の奥義。しかしZとの再戦の前、圧勝と思われた草レースで思わぬ敵に苦戦する。

「やめろ、灰神。オマエそれ以上脱いだら、どうなるのかわかっているのか」
「たとえこの体がどうなろうとも、オレは勝つ為に脱ぐ!」

  反射ベストを残し全てを脱ぎ捨てた灰神。勝利の代償に手に入れたものは、自転車界永久追放という重すぎる処分だった。

「オレは後悔していない。風が、下半身への風が気持ちいいぜ。」

2014年9月9日火曜日

SR2400_13:雨の隠れボス

  三国峠の手前、赤谷湖のローソンは寄らなくていいかな。登って湯沢まで下ればコンビニPCだし。
  この辺りから降りだしてきた雨。またか、この前の栄村も埼玉600も三国峠雨だったな。あまり強まらずに小雨程度で済んでるのが幸い。

○PC7 三国峠 8/15 13:52
  雨のおかげで暑くはないが、寒いの嫌いだから暑いほうがいいんだよなあ。

  三国トンネルを越え新潟に入ると雨は止んでいた。前回と同じパターンだ、下りが雨で無くて良かった良かった。

○PC8 越後湯沢711 8/15 14:53
  国道17号を外れて越後湯沢市街へ。
普段17号を走るからこの道を通るのは初めて。観光なのか地域住民なのか、狭い道に車が密集していて走りづらい。

  あんまりオナカ減ってなくて少しだけ購入。

  ここから新潟までは、十二峠があるくらいで下り基調かな、天気も回復したしそんなに遅くならずに直江津に着きそうだ。

  って考えたのは大間違い。
十二峠、こんなにキツかったっけ?通行止めだった時迂回路の一本北の峠は激坂なんだけど、ここはそうでも無かった記憶があったのに。それに峠登りからまた雨。ホントにウンザリ。

  津南の先、国道405号のアップダウンがこのSR600北関東の隠れたボス。
  金精峠だの渋峠だの標高が高い峠は斜度もそれほどでもないし、道幅も広くて走りやすい。だけどこの405号は、どこまで続くのか見当がつかない細い山道のアップダウン。数十km走ってすれ違った車は2台だったかな。

  しかも霧。視界はめちゃ悪くて下りも速度出せない。日が暮れてたらもっと大変だっただろう。

○PC9 道の駅の雪だるま 8/15 18:30
  あたりは暗くなってきた。霧も白じゃなくて灰色だよ。気分と同じ灰色。
エターナルダンシングが誕生した第1話、灰神さんとの戦いを考えながらタラタラ走る。

  雨は止む気配無し。
この後も直江津に着くまでずっと細い道。そこそこ大きな都市だから中心に近づいたらコンビニ出てくると思ってたら、港から2kmほどまで何もなし。

○ホテル着 8/15 19:15
  コンビニで夕食を買って食べながらチェックイン。
次のPCである港のすぐ前だけど暗いし雨だから写真は朝でいいか。


■特別企画 インフィニティークライマーZ第1話あらすじ

  Zと灰神との戦いも終盤にさしかかる。カーブの先に現れたのは見たことも無い激坂。
「ははは、この坂を登り切った者は今まで誰もいない。見るがいい。サイドワインダー!」
「灰神の動きが妙だ、頂上に向かって真っ直ぐ走っていない。ヘビのようにウネウネとしたあの動きは…。そうか、大きくナナメに走ることで実質的な斜度を下げるという、なんて高度なテクニックなんだ」
「オマエにこの坂は無理だ。さっさと引き返して牛のオッパイでも吸ってるんだな」

  一見合理的で隙無く見えた灰神のサイドワインダー。
しかし走行距離が長くなる為実際の登坂速度はそれ程でも無いことに気付くZ。
「この坂を一直線に登ることが出来れば、ダンシングならあるいは…」
「だんしんぐぅ?バカかオマエ。これだけの長い坂、ダンシングで持つわけないだろうが」

「思い出して、ダンシングを繰り返して登坂したあのタンデム練を。ストーカーの私、実は全然漕いでなかったのよ」

「これだ!無駄なエネルギーを抑えたダンシング、舞い上がれオレの脚、鳴り響け魂の鼓動、エターナル・ダンシング!」
「バ、バカな。永遠に続くダンシングなど、ある…はずが…ぐわぁ…」

2014年9月8日月曜日

SR2400_12:エターナルダンシング誕生

□8/15
  スタートから7日目。
そろそろ慢性的な疲労が出始める頃だが、体の調子は想像してたほど悪くない。

○ホテル出発 8/15 2:45
  ホテル鶴からスタート地点は目と鼻の先。

○SR600 Kanto Nord スタート 8/15 3:00

  スタートは写真を撮って主催者にメールしなければならない。このメールアドレスが去年から変わっていてちょっと焦る。

  調子は悪くは、なんて書いたものの走りだしてみると左膝が強く痛む。普段から痛めている箇所で、今回も走り出した直後から若干の痛みを感じる時があった。
  もう毎度のことだし、酷くもならないしで気にすることも無く走ってきたが、ここにきて遂に走りに影響を与えるほどになってきたか。

  膝痛は痛み止めが効くことが多い。SR600もあとこれ1本で終わりだし、痛いのを我慢して走るのもヤなので躊躇せず痛み止めを飲む。
  暫くすると痛みは和らぎ、って飲んだのはここだけでこの先もう痛み止めを飲むことは無かった。早朝の出発で温まる前に膝が冷えたのが原因だったのだろうか。

○PC2 滝ケ原峠 8/15 5:09
  宇都宮山岳200km(渋峠ゴール)でも走った道。
かなり全力で走ってるのに7,8人着いてきてて、頂上辺りでようやくフィリップさんと2人になったなーとか思い出しながら登坂。

  斜度はそれなりにあってキツめ。まだ膝の痛みは消えてなくてヒイヒイ。走っているのは意地。

  日光まで少し下った後はいろは坂。走り屋(車)が多いから気を付けないとね。

  んーいい眺めだ。スタートを3時にしたのはちょっと早いかもと思ってたけど丁度良かったな。

  登りきって中禅寺湖へ。この辺りで一旦平坦になるが、まだまだ登り。

  金精峠から登ってきた方向を。

○PC3 金精峠 8/15 7:30

  滝ケ原峠と比べると長さはあるが、斜度はキツくない。
ここからは一気に下り。まだ8時前で寒い。

○PC4 尾瀬大橋 8/15 8:14

  ここは橋の写真を撮るか、デイリーヤマザキのレシートでPCチェック。

  橋の上から。

  デイリーはEdyが使えない店があるからスルーして他のコンビニに入ろうと思ってたら、この先坤六峠を越えて水上まで無かった。(しかもそれがデイリーヤマザキ)

○PC5 坤六峠 8/15 9:53
  昔アンカーの田代選手が「体重が60kgを切る選手はダンシングが長く続けられる」というようなことを言っていた。ダンシングの仕方にもよるのだろうが、これは私も感じていて61kgを切ってくるとかなり軽快にダンシングできる。軽いので体を持ち上げる労力が少なくて済むんだと思う。
  今回のSR前に体重はなんとか調整でき61kgを切ることができた。ここまで筋肉への負担を考えてダンシングは控えてきたが、もう残り1日半だしガンガンいこう。

  延々と続くダンシング、いやここは永遠だろう。英語にすると・・・エターナルダンシングか?なんて厨二な素晴らしい響き。
  後ろを振り返って一人を確認し(誰かに聞かれでもしたら恥ずかしいからね)声に出してみる。「エターナル・ダンシング!」カッコ良すぎる。これはもう必殺技ではないか。相手は死ぬ。

  ここまでのライドで疲れていることもあって、高々3分しか続かない永遠ではあったのだけれど。

  ロングライドはヒマだ。景色がいいといっても自転車の速度じゃそう変化を感じられるわけじゃない。
  まあつまり、私は走っている時の大半は本当にどうでもいいことを考えているのだ。とても下らないこと、そう、今回はこの「聖闘士星矢のような自転車マンガ」が自分の中で大ヒットした。最近は弱虫ペダルってマンガが流行ってるらしいが、きっとこんな風に必殺技を叫んでいるんだと思う。
  やっぱりアレだな。「登坂系奥義!」とか頭につけるべきだ。その前に「天上へといざなう永遠の舞」とかなんかそれっぽい前置きも必要だろう。

○PC6 みなかみ歴史民俗資料館 11:46
  そんなことを考えてたらあっという間に次のPC。

  でもここは道から少し中に入ったところにあって、10分くらい探したんだっけ。
晴れてて気持ちよかったのはここまで。

2014年9月5日金曜日

SR2400_11:休養日は200km

□8/14
  夜中に到着し、無人フロントに名前付きで置かれた鍵で入室したホテル。
駅前のため自転車を外に止めておくのは危険かなと、玄関のデッドスペースに置いておいた。朝起きてその自転車の裏が扉になってたことに気付く。ごめんオバチャン。デッドスペースだと思ってたよ。

  人当たりのいいオバチャンとお話。「夜中に到着したのにもう出発するの?」
FujiとNihonAlpsでクタクタに疲れ切っていた場合、この日は100km移動で宇都宮までの予定だった。台風や大雨で体は疲れていることは疲れているんだが、脚はあまり消耗していない。

  出発前、全ルートを繋げたところ2320kmで累積39000mくらいになった。どうせならあと100km,1000m登ればSR600x4になる。ということで宇都宮までのこの日、オプションコースを用意していたのだ。いまの感じなら特に休養に充てなくても3本目の北関東は走れそうだ。

  というわけで南下~。

  あ、この映画知ってる。「ラストオブアキカン」だっけ。

  神流湖(かんなこ)

  川沿いでサイクリングにはもってこいの道路。

  ここでスピーカーから町内放送が。
「○○中学校のご両親の皆さま。3年生一同は現地に到着、現地気温は12℃、皆元気に観光しています。ご安心ください。」
  気温12℃かー。どっかの峠に合宿にでも行ってるのかね、と聞いていると、どうやらオーストラリア。オッサンが山の中自転車で走って凍えてるお盆に、きょうびの中学生はオーストラリア。

  国道299に入って恐竜の足跡。

  志賀坂峠へ。ここまで1600kmほど走って小鹿野とは…
WRJ(小鹿野にワラジカツを食べに行く会)メンバーはこのルートで来るといいよ。

  志賀坂越えたあとはそのまま北上。
乗鞍不通過で獲得標高が少し足りなくなってしまったため、足利からはややアップダウンがある国道293。
  ここでやっぱりゲリラ豪雨。夏だから夕方にザっと降るのは予想の範疇とはいえ、いくらなんでも降られすぎだよ今回。

  ホテル鶴到着は19時過ぎ。
シングルルームが無いのであまり安くないんだけど、翌日の北関東が少しでも楽になるようにと奮発。このホテル、コインランドリーがあればいいのにな。

2014年9月4日木曜日

SR2400_10:雨の降らない日

□8/13
○ホテル出発 8/13 3:55
  久々にゆっくり寝れた感じがする。といっても洗濯だなんだで4時間半くらいの睡眠か。
フラフラしていた頭はすっかり回復していたのでまあ十分なんだろう(と思い込ませる)。

○PC10 南松本 8/13 4:29
  まだかなり暗く、一瞬通り過ぎてしまった。

  この時点での気温は12℃。山に登っていないのに肌寒い。
夜も明けておらず、この先のコンビニで明るくなるまで休憩することにした。今日はたっぷり時間的余裕はあったはずだ。

  明るくなってきたので再出発。時刻は4:53。日が出るの遅くなってきたな。

  山のあたりがガスってるのが気になる。空を見る限り晴れそうだけど…頼むから今日は降らないで。

  塩尻峠ではチーム練の集団にビューっと抜かされた。
ここまで長距離走ってる、といっても登りで抜かれるのは悔しい。あまりの速度差だったからなあ。

○PC11 岡谷 8/13 6:46
  気持ちのいい朝だ。

  写真を撮ったついでに湖畔をダラダラ走った。今日は完全にサイクリングモード。
昨日のダメージはそれなりに残っているようで速度も出ないし、まあゆっくり走ればいいや。

  ここから先、次のPCまでは他の参加者によるとどうやら激坂だったとの話。
うーん、確かにそんなに登りだと思ってなかった部分でそこそこ登りだったような。あんまり覚えていないのはマッタリ走ってたからと、

  天気がこの上なく良かったからだ。

○PC12 蓼の海公園 8/13 7:57

  やっぱこれだよ。
この3連戦で求めてたのはこんな天気の中、気持ちよく坂を上ることなんだ。

  霧ヶ峰。SR600Fujiでは左側からやってきてこの先しばらく同じコースを走ることとなる。
前回通ったのは4日前、雨の夜だった。もうかなり前のことのように感じる。

  久々にゴキゲンなビーナスを堪能。

  車山。ツーリストで来てここに泊まってみたい。

  白樺湖まで下った後、Fujiとは別のコースへ。

○PC13 大河原峠 8/13 11:17

  この峠は登った記憶がある。
来たことあるはずなのに2000m超峠だというのが抜け落ちていた。

  天気が良くて下りも寒くない。
少しある継ぎ目の段差に気を付けながら、特攻してくるトンボに立ち向かう。いや特攻しているのはこちらなのか?トンボは避けてくれなくてちょっと可哀想。

  佐久市街が見えてきた。

○PC14 佐久 8/13 12:00

  ここからゴールまでは直ぐだと思っていた。
眠気を感じたため、途中のコンビニで仮眠しながら野辺山越えて最後の下り区間を、

  と思ったら登りありの線路沿いのアップダウンありので、到着予定を30分ほど見積もり間違い。

○ゴール 小淵沢駅 8/13 15:30

  SR600 NihonAlpsのゴールタイムは53時間半。もとから2泊して52時間くらい予定だったんだけど、それにしてもギリギリになってしまった。
いや乗鞍通過してないからギリギリも何も関係ないんだっけ。

  ゴールには宇都宮山岳ブルベなどでよく会う女性参加者のコヤマさんが居た。ツーリスト部門で友達と走っていたが乗鞍通行止めでDNFとのこと。2,3言話した後は今日の宿泊地、富岡へ。あと110km。
  が、勘違いしていて泊まるのは藤岡。お盆まっただ中なため安い宿の確保に四苦八苦したんだった。今の脚ではただでさえ時間ギリギリなところを20km伸びで間に合うわけがない。

  結局ホテルに電話してオバチャンに鍵を開けておいてもらい途中仮眠もしながら日が変わる直前に到着。
  そういやこのゴールからホテル区間は小雨に降られたんだった。まあ降ってないでいいや、9日間のSR2400で、唯一降られなかった日。最高に楽しかった。

○藤岡ホテル到着 8/13 23:47